編集は視(め)。自分の中にいろんな視点をインストールする【プレスラボメンバーインタビュー】
こんにちは!プレスラボで編集者兼広報を担当している岩田悠里(@yuriten0122)です。
これまで3人のプレスラボメンバーについて紹介してきたこの連載。
今回は、プレスラボで一番社歴の長い山本莉会さんへのインタビューです!
幼少期の夢は小説家。とにかく文章の仕事がしたかった
ーー山本さんはプレスラボに入社されてだいぶ長いですが、前職は何をされていたのでしょうか?
新卒ではWeb系の広告代理店に入り、大阪で営業をしていました。子どもの頃から小説家になりたくて、大学でも文章を書くことについて勉強していました。
新卒でもライティングができる仕事に就きたかったのですが、大阪ではライターとして正社員雇用してもらえる会社がなかなか見つからなかったんです。一度正社員として仕事をしておきたいという気持ちもあり、ライター職のある広告代理店に就職しました。
でも新卒でライター職には就けなくて、3年働いた後プレスラボに転職しました。
ーー「ライターとして働きたい」と思ったときに、プレスラボを選んだのはなぜだったんですか?
私、プレスラボのファンだったんです。プレスラボが制作した記事を前職に在籍していた頃からずっと見ていて、「ここに入れたらな」と思っていました。「未経験での入社は難しいだろう」と思っていた矢先、未経験OKの求人が出ていたので、すぐに応募しました。そこから採用が決まり、入社のために上京しました。
ーー念願のプレスラボに入社して、当時はどんな気持ちでしたか?
好きな文章を仕事にできるのが、とにかく楽しかったです。未経験だったこともありお給料が前職より下がり、節約の日々でしたがそれも全然苦じゃありませんでした。社内校閲で真っ赤な修正原稿が戻ってきてしまうことすら、「こんなにも学べることがある!」と感じられて楽しかったですね。
ーー山本さんが入社してからこれまでの間に、メンバーはガラッと代わり、社長も交代しました。そんななかでも山本さんがプレスラボにい続ける理由はなんでしょうか?
ここからとくにライターや編集者としてステップアップしたいと思わないからですね。大好きな文章に携わる仕事をしているから、これまでにつらい時期もなかったです。
ーー本当に文章が大好きなんですね。プレスラボ在籍中に出産や子育ても経験されていますが、育児と仕事の両立はどのようにしていますか?
私、「締め切りを守られないかも」と焦ることにすごくストレスを感じるんですよね。なので上の子が2歳になるまで締め切りを持たない、営業などの業務担当にしてもらったんです。今も案件数を調整してもらっているので、すごく助かっています。
ーー自分のペースで仕事に取り組めているからこそ、長く続けられているんですね。
編集は視(め)。自分の中にいろんな視点をインストールする
ーー編集をする際に気をつけていることはありますか?
原稿を編集するときは、自分の中にいろんな他人を住まわせるようにしています。というのも、編集は視(め)だと思っているんです。原稿はいろんな視点で見る必要があります。
だから、自分で読んでめちゃくちゃ気持ちいい原稿って、実は危ないんじゃないかなと思っています。違う視点が抜けていないかとか、全然違う立場の人が読んだときに嫌だと思わないかなとか、考えますね。いろんな考えの人がいるということを忘れないようにするのを大切にしています。
ーー原稿を読みながら別の視点を持つって難しいと思うのですが、山本さんが物理的にやっていることはありますか?
一回寝かせたり、何回も違う人の視点で読んだり。私、読書が大好きで記事でも本でもなんでも読むんですよね。自分には理解できないものや、傷つく内容のものでも、「これを書いた人や好んで読む人はどんな気持ちなんだろう」と理解したくて読むこともあります。理解できない視点でもたくさんインストールするようにしています。
ーー山本さんがこの仕事をしていて、一番嬉しいのはどんなときですか?
最高の原稿を読んだときですね。もちろん記事が世に出るときも嬉しいのですが、自分が一番目の読者として読んで、これ以上ないほど良い原稿を読んだときは、やっぱり心が震えます。編集や企業側の都合で手を加える場合もありますが、本音ではこのまま出したいとすら思っています。
なので私が依頼するライターさんは、私にはできないことができる人ばかりです。専門の知識があったり、自分より文章がうまかったり、インタビューがうまかったり。
プレスラボは14年目。いい書き手でありいい編集者でありたい
ーー編集者を長く続けていくために気をつけることはありますか?
自分が一番理想とする体制で臨むようにしています。クライアントが今回求めるものを表現できるのはこのライターさん、このカメラマンさんというように。いい体制で臨めて、いい原稿を納品することができたら、また依頼が来て、またそのクリエイターさんたちに仕事を依頼することができ、また最高の体制で臨むことができる、という好循環が生まれます。その好循環を生み出すことが、長く仕事を続けることにつながると思っています。
編集者は、クリエイターさんたちが一緒に仕事をしたいと思ってくれる環境を作ることが必要。例えば、書くことや写真を撮ることに集中できる環境を作るとか。そういうことを心がけています。
ーーそう思うようになったきっかけは何かあるんですか?
以前、予算が少なく納品本数の多い、短納期の案件で、満足のいく原稿を出せなかったことがありました。そのとき「正当な報酬を提示すること」「自分の手にあまる案件はお断りすること」は大切なんだなと学びました。
若手を育成するにしても、適正な納期がないと、時間をかけて取り組んでもらうことが難しく、うまくいかなくなってしまう。また、若手かベテランかを問わず、安い金額で依頼したらその人はたくさんの数の仕事を受ける必要が生まれてしまい、潰れてしまいます。クリエイターさんたちをいかに守るかも私たち編集の仕事だと思っています。
ーー今後はどのような編集者でありたいですか?
いい編集者であり、いい書き手でありたいです。自分も「最高の書き手」を目指し、このジャンルのこの記事なら、「私以上の原稿を書ける人はいない」と思える瞬間がほしいですね。
ーー今後の活動にも注目しています!
さいごに
山本さん、ありがとうございました。
入社当初から「山本さんのコミュニケーション・編集はきめ細かいな」と感じていたのですが、その山本さんが最高の体制で臨むからこそ、最高の原稿ができるんだなと思いました。
今後も社内メンバーのことを知ってもらう記事を発信していきたいと思います。以上、ゆりてんでした!
※2023年3月に実施した取材内容に、2024年8月の情報を加え、執筆しています。