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「また一緒に仕事をしたい」と思われる編集者になる【プレスラボメンバーインタビュー】

こんにちは!プレスラボで編集者兼広報を担当している岩田悠里(@yuriten0122)です。

これまで4人のプレスラボメンバーについて紹介してきたこの連載。

この連載もこの記事で最終回。今回は、ライターさんの原稿への赤入れに優しさが溢れている、早川大輝さんへのインタビューです!

大学時代からプレスラボでインターン。プレスラボに関わるのは三度目

ーー早川さんは社員や業務委託として長くプレスラボに関わっている印象がありますが、このお仕事を始めたのはいつからでしょうか?

ライターを始めたのは、大学生時代の2014年頃からですね。ある学生向けのWebメディアの立ち上げを手伝い、そこでライターとしての活動をしていました。

当時は、いろいろな企業が自社でメディアを持ち、記事コンテンツを発信し出した、いわゆるオウンドメディアブームでした。僕は広告を作るサークルに入っていたのですが、ライターの経験があることとオウンドメディアブームの影響もあり、サークルで大学生向けのWebメディアを立ち上げ、編集長として運営していたんです。そのときに、サイトのお問い合わせフォームにインターンのお誘いが届いたのが、プレスラボとの出会いですね。

ーープレスラボからお誘いがきたんですね!すごい!

すごいという話でもないんですよね(笑)。もともと、プレスラボは下北沢にオフィスがあったのですが、僕が在籍していた明治大学のキャンパスが、下北沢から急行で1駅の明大前だったんです。加えて、そのとき連絡をくれたのが同じく明治大学出身のカツセさん。要は、たまたま母校のキャンパスが近くにあったので、インターンもしやすいだろうという理由で声掛けをしてくれたみたいな経緯でした。

在学中は卒業までインターンを続け、その後はコンテンツマーケティングの会社に編集者として新卒入社しました。本当はそのまま社員としてプレスラボに入社したいと思っていたのですが、プレスラボでは新卒採用をしていなかったんですよね。

――そこからプレスラボへ入社したのはどういう経緯だったんですか?

プレスラボへの入社は、タイミングが合ったからですね。新卒入社した会社から転職活動をしていたときに偶然、プレスラボ前社長の梅田さんから「最近何してんの?」と連絡が来て。それで久しぶりにオフィスに遊びに行って、なんやかんやあって入社することになりました(笑)。

ただ、社員としての在籍期間は長くないです。当時はたまたま新規案件があまりない時期で、入ったはいいものの、自分のレベルで担当できる仕事があまりなくて。そのうち、プレスラボの看板を背負って仕事をするのがしんどくなり、フリーランスになりました。

※今は案件の状況に関して改善されています

ーーフリーランスのほうが大変なイメージがありますが、なってみてどうでしたか?

気持ち的にはかなり楽でしたよ。当時はプレスラボに仕事を依頼してくれるクライアントに対して、新人の僕が対応するのってすごく不誠実じゃないかって思ってしまったんです。だって、どの会社もきっと、新人が対応することを望んで依頼してないじゃないですか。それなら、スキルの足りない僕じゃなくて、もっとスキルのある人が対応したほうが、クライアントにとって誠実だって。自分の成長のためにクライアントを踏み台にしてるみたいで、すごく嫌だったんですよね。

一方、フリーランスになったら、看板は自分の名前。自分の責任で、自分のできる範囲で仕事を請け負っていくのは、個人的にはかなりヘルシーでした。最初のうちは友達や知り合いから仕事をもらい、それを実績にだんだんと仕事が増えていき、できることも広がっていった感じです。もちろん、普通にうまくいってない時期もありましたよ。

辞めてからも、プレスラボとはずっと仕事をしていました。ひとつ、大きい案件に携わっていたときに、クライアントからの評判がよかったと連絡がありまして。それで社長の園子さんから固定の業務委託にならないかとお誘いをいただき、プレスラボに戻りました。今はプレスラボで固定の業務委託をしながら、フリーランスの編集者・ライターとして、食・エンタメ・暮らしを軸にしたお仕事をしています。

ーープレスラボとは、かなり深い関係なんですね!!(驚)

好きなことが仕事に繋がるのがこの世界

ーー食・エンタメ・暮らしという軸には、どのように気づいていったんですか?

食に関しては、友人と一緒に餃子の食べ歩きの様子をTwitter(現X)で「#本日の餃子情報です」というハッシュタグをつけて投稿し始めたことがきっかけです。そのうち反響が大きくなり、取材されたり、「餃子の人」として認知されたりするようになって。そうやって餃子の発信をするうちに、餃子や餃子以外も含めて食に関する仕事が増えていったんです。

エンタメに関しては、昔から深夜ドラマが好きだったんですよ。毎クール10~15本くらい作品を観る生活を10年くらい続けているので、編集者になりたての頃から自分が唯一詳しいジャンルがドラマだった、というか。それに加えてもともと好きだった演劇やお笑いにコロナ以降さらにハマってしまい、広く、エンタメというジャンルが自分の大きな軸になっていきました。

暮らしに関しても同じようなものです。人の生活を垣間見る瞬間や、自分の生活の記録をつけることが好きで。好きなものを自然に追って、発信しているうちに、仕事につながっていったんです。

ーー自分の好きなことへの発信に需要が重なって、軸になった感じなんですね。

そうですね。重なったというのもあり、重ねていったというのもあります。自分の好きなものを発信したり、勉強を継続したりしたら、なんでも仕事に繋がるのがこの世界だなと思います。

「一緒に仕事をしやすい編集者になる」

ーー長く編集の仕事をしている早川さんですが、早川さんにとって編集とはなんですか?

何かを解釈するときは、自分の好きなフィールドから考えると納得感が強いなと思っていて。そういう意味では、僕の中で編集者って、演出家に近いんです。どんなにいい脚本があっても、演出がよくなかったら台無しになってしまう。記事の編集も同じだと思っています。

実際、原稿を編集するときは、映像のようにシーン単位で考えることが多いです。このシーンでは何を伝えたいのか、じゃあそのためにはどんな角度からこの話を扱うのか、などを意識しています。

ーー編集と演出が似ていると捉えたときに、何を大切にして編集していますか?

原稿の編集においてはライターさんが書いた意図を可能な限り汲みたいと思っています。ライターさんは、原稿に赤(編集者による修正)が入ったら、赤の理由を知りたいと思うんですよね。なので修正を入れるときは、「こういう意図でこう書いてくれたんだと思いますが、今回はこういう方向にしたいです」と相談するようにしています。

昔からドラマを観るときに、「監督はなぜこういう表現にしたんだろう?」という視点で見る癖があって。原稿を編集するときにも、その視点が活きているのかなと思います。でもそのせいで、僕の原稿へのコメントはめちゃくちゃ長いことで知られてます(笑)。

ーー早川さんの編集は、ライターさんからかなり好評ですが、そのようなことを意識をしているんですね。

ほかに特別にやっていることとしたら、原稿を戻す際、ライターさんが最初に見るであろう一番上のコメントに記事の感想を長めに入れてます。長文なのは、書いてるうちに筆が乗ってしまうだけなんですけど、原稿のどういうところが良かったのか、しっかり言語化してお礼と共に伝える、そのうえで調整したい箇所のコメントを入れるようにしていますね。

ライターさんが時間をかけて執筆してくれた原稿なので、気になるところだけでなく良かったところも伝えないとフェアじゃないなと。ありがたいことに、ライターさんからは「冒頭のコメントが無二の楽しみです」「早川くんからの赤が一番テンションあがる」と言ってもらえるなど、ある意味エンタメみたいに楽しんでもらえてるみたいです。もちろん、忙しいときは簡易的なコメントになります。でも、なるべくこのスタイルで続けたいなとは思っています。

ーー早川さんの原稿は、編集者の私から見てもかなり時間をかけて丁寧に編集しているように見えます。そうするようになった理由は何かあるのですか?

フリーランスになったとき、自分には飛び抜けた編集や文章を書く才能はないなと感じたことが大きいですね。当時は、今以上にライターや編集者が個人で注目を浴びて、キラキラしていたので。

今でこそ、才能やセンスなんて陳腐な言葉だなとは思うんですけど、当時の僕はそこで「才能がなくても通用する編集者がいてもいいだろう」と思ったんです。足りないセンスは、周りの人に頼ることで補おう、編集者は一人で戦わなくても、チームで戦うことができる、と。

そのためには、「一緒に仕事がしやすい」「また一緒に仕事をしたい」と周りから思ってもらえることが重要だなと思い、コミュニケーションを丁寧にし始めたんです。だから、生存戦略として生まれたスタイルというか。結果、そのコミュニケーションを「いいね」と言ってもらえることが増えたので、間違ってなかったんだなとは思います。

ーー今後はどのような編集者になりたいですか?

スタイルは変えずに、今後はもっと一つひとつのコンテンツを深く深く掘っていける編集者になりたいです。

また、最近は友人とPodcastを配信しているのですが、これがいつか仕事に繋がるくらい、音声配信にも力を入れていきたいです。

ーーそうなんですね。今後の活動にも注目しています!

さいごに

早川さん、ありがとうございました。

まだ編集者としての強みを確立していない今、私もコミュニケーションを丁寧にすることで「一緒に仕事がしやすい編集者」だと思ってもらうことが大切だなと思いました。早川さんとは案件で何度も一緒になっていますが、毎回学ぶことばかりです。

メンバー紹介記事はこれで最後ですが、今後も社内の出来事やメンバーについて知ってもらう記事を発信していこうと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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