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ゲーム仲間とのコミュニケーションは、日常からの旅立ちだ

あけましておめでとうございます。編集プロダクション「プレスラボ」のひーこ(檜垣 / @hi_ko1208)です。弊社では毎年年賀状の代わりに、お題を決めた年賀コラムをメンバーの一人ひとりがUPしています。2021年はnoteで「旅立ち」をテーマにお届けします。

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今年の年賀状コラムのテーマが「旅立ち」に決まったとき、正直困った。家にいるのが好きな自分は、あまり旅行に行かない。どこかの組織に長く留まったこともないため、旅立ちだ、お別れだ、ということを実感したのは、せいぜい学校の卒業式ぐらいだ。

ましてや旧年中はコロナの影響で、旅どころじゃなかった。仕事の気分転換といえば私は家に引きこもってゲームをし、画面の中でSplatoonの世界に行ったり、サクナヒメの世界に行ったり…

あ、これ、旅立ってるじゃん。現実から。

ということで、ゲームによる「現実からの旅立ち」について書きたいと思う。

ここ数年、私の交友関係はネットの友人:8 リアルの友人:2くらいになっている。というのも、働くようになってから、友人と予定が合うのはせいぜい平日の夜か土日。職種によっては土日休みじゃない人もいるため、家から出ずオンラインで一緒にゲームをするのが時間的にも体力的にもちょうど良いのだ。社会人歴が長くなるにつれ、リアルの友人との接点が減っていくなか、ネットの友達は減らない、という感覚だ。

私はそんな友人たちと通話しながらゲームをするのが好きだ。自分の仕事も知らない、相手の仕事も知らない。家庭環境も住まいも学歴も、ましてや本名も知らない。みんなが社会人になってからは飲みに行くことも増えたが、呼び合うときはやはりハンドルネームだ。一方、付き合いが長くなると、やれ転職したとか、やれ結婚したとか、節目の報告をし合うこともある。近すぎる人付き合いが苦手な私には、この距離感が心地よい。

自分がもし結婚式を挙げる機会に恵まれたらぜひとも彼らを呼びたいが、どうやって招待状を送ればいいのかわからないのが最近のどうでもいい悩みだ。

そんな彼らと一緒にゲームの世界に行くことは、まさしく日常からの小さな旅立ちなのである。旅行だって、見知らぬ土地に行き、普段の自分を知らない人とコミュニケーションし、日ごろ見られない風景や体験を楽しむと思う。それのお手軽版だ。物理的な移動が伴わないだけである。

ちなみに、こうしたオンラインでの越境(?)は、リアルの行動範囲にも影響している。ゲームで仲良くなった友人たちは全国に点在しているので、リアルで遊ぶとなると、まずどこの県で集まるかという所から決めなければならないのだ。「間を取って愛知で遊ぼう」とか、「出張で大阪行くから関西の人飲もう」とか、もはやそういう規模である。相変わらず出不精な私だが、こういった会に参加するために、時々新幹線に乗ることはある。さすがに2020年はなかったが。

それから、自分と全く異なるバックボーンの人と話せるのも魅力だ。たとえば生まれも育ちも東京の自分にとって、同じように地方で生まれ、暮らしている人の話はとても興味深い。ライターや編集の仕事をしている理由でもあるが、私は自分と違う考え方の人に出会うのが大好きなのだ。その好奇心が満たされ、正直、取材感覚になってしまうことも時々ある。

学生時代や社会人になってしばらくは、身の回りにそういう遊び方をしている人はおらず、家族からも物珍しく見られていた。それが奇しくも、コロナの間接的な影響で、1つのスタンダードに近づきつつある。世の中で“あつもり”や“桃鉄”が大ヒットした先に、ハードルなく誰とでも友達になれる世界があれば良いなと、心から思う。

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