「目から鱗の発見が2つ以上あった」文章講座・生徒さんインタビュー
こんにちは。プレスラボ代表の池田園子(@sonoko0511)です。
5月よりライティング講座を開始しました。
告知後、各所からお問い合わせをいただき、数名の申込者さんと講座を進めています。
今回は、上記noteを読んだのをきっかけに、「自分のブログにアップする記事の原稿を1回だけ見てほしい」と、単発の依頼をくださった40代男性・Dさんに、講座を受けて気づいたことや感想を伺いました。
文章を書くのは好き。でも「どこか単調」なところが気になって
Dさん:日々ブログを書いていて、もう少し豊かな表現ができたらなあ、と思っていたんです。池田さんのツイートからnoteに飛んで、ライティング講座を単発で受けてみたくなり、ご連絡しました。
池田:ありがとうございます! Dさんはブログを含むメディアをいくつも運営されていて、文章を書き慣れている印象がありました。でも、表現力の面で気になるところがあった、と。
Dさん:自分の文章を読むと「単調だな」と感じるんですよ。
池田:どういうところに単調さを感じていたんですか?
Dさん:例えば、同じような語尾しか使っていないところとか、上手い比喩表現ができていないところとか。
池田:語尾について言うと、「ですます」だけだと、同じ語尾が続いてしまうことも。今回、原稿に赤入れした際、「アクセントをつけたり、強調したりする目的で、体言止めを使うこと」も提案しています。
Dさん:今まで体言止めを使おうと考えたことがなかったから、新鮮なアドバイスだなあと感じましたね。
池田:初稿時点で体言止めを自然な形で使っている箇所もありましたよ。ちなみに、誰かに文章を見てもらう経験って、これまでありましたか?
Dさん:ないですね。細かい部分について、あれこれ言ってくれる人もいませんし。
「同じ助詞を続けて書かない」は嬉しい発見
池田:講座を受けていただいて、「これは!」と感じた学びは何でしたか?
Dさん:まず、同じ助詞が続くと読みづらい、と指摘・修正してもらったところですね。あれは目から鱗でした。
池田:例えば、こんな感じの直しをしましたよね。これだと「は」が続いて読みづらいため、一部を「が」に変えています。それに、ここでは「が」にする方が自然なので。
私はサウナに行ったとき、隣の人は話しかけてきて、20分ほど拘束された
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私はサウナに行ったとき、隣の人が話しかけてきて、20分ほど拘束された
編集注:「は」「が」は、前後の文脈によって異なるニュアンスを伝える重要な要素。「隣の人が」とした場合には、他の人に対して「隣の人」が強調されます。
Dさん:無意識的に同じ助詞を重ねて書いていました。「なんかスラスラ入ってこない文章だなあ」とは感じていましたが、どうしてわかりにくいのか、解明できずにいました。今回指摘を受けて気づけたことです。
池田:添削した原稿をお戻しした1〜2日後、オンラインでフィードバックする時間をいただきました。そのときに「ひらく」と「とじる」についても、積極的に質問してくださいましたよね。
ひらく=漢字でも書ける言葉を平仮名にすることを表す編集用語
とじる=平仮名でも書ける言葉を漢字にすることを表す編集用語
Dさん:「基準」を示してもらえたのがよかったです。池田さんの言葉で特に印象的だったのは「意味を持たない漢字はひらく」というものです。例えば、「私の事を→私のことを」「幸せになる為に→幸せになるために」というような。
池田:私がその説明をした後、Dさんに「これも見てください」と伝えたのは、Web制作会社 LIGさんがまとめた記事でした。説明の仕方がとてもいいなあと思って。
「わかりやすい文章」は当たり前。プラスαの発信をしたい
Dさん:ひらくことで文章がわかりやすくなると実感しました。たとえ、いいことを書いている記事でも、読みづらいと読者が離脱してしまいますからね。
池田:もったいないですよね。内容が魅力的でも「読みにくいからや〜めた」となっちゃうのは。
Dさん:スラスラ入ってくる文章の書き方を教えてもらった講座でした。ここからは少し脱線するんですけど、30〜40年くらい前に刊行された本の中に、「これすごく読みづらいな」と感じるものってないですか?
池田:ときどきありますね、そういう本。難しい言葉が多用されているとか、行間が詰まっていて単純に見づらいとか、いろいろな理由があります。
Dさん:昔の本をブログに取り上げる際、読み返してみると「うーん……」となるんですよ。読者に対して上から目線で書かれている、という印象を受けるものも中にはあり、読み手に寄り添う姿勢を感じません。これだと読む人はつらいよなあ、と思います。
池田:途中で「ワー、今この本と向き合うのは無理だ!」と投げ出しちゃうかも(笑)。読みたくても読めないというか。
Dさん:友人にもこの話をしたら「昔の本は“意味はわかるけれど読めない文章”が多い」と言っていて、言い得て妙だなあと。読めない本というと、何を言っているかわからなくてついていけないはずだけど、彼が言いたいのは「無味乾燥すぎて読めない本がある」ということで。
池田:内容は理解できるけど、読むのがしんどい文章ですか……。
Dさん:読めない文章って乱暴な存在だと感じます。読めないことを「自分に読解力がないせいだ」と責めたり、本を読むのが楽しくなくなったりする人もいます。読めない文章に遭遇したために、本を読むのが嫌いになる子どもが出てくるのも気の毒です。
池田:本来、文章にふれるのって、自分のなかに新しいものを吸収する楽しい時間のはずなのに。
Dさん:記事を書く側としては読者に対し、脳のキャパを「日本語解析」に使ってほしくはないと思っています。読みづらい文章と格闘する時間なんてなくして、自分の頭で考えてほしい記事の本質的な箇所に、スッとたどり着いてほしいなと。
池田:だからDさんは常に平易な表現を選んでいるんですね。文章から配慮が伝わります。
Dさん:僕「(文章が)わかりやすい」ってたまに言われるんです。でも、ブログ運営者として、わかりやすい文章を書くのは当然だと思っています。わかりにくい文章なんて読みたくないでしょ(笑)。
池田:もちろんですよ(笑)。
Dさん:わかりやすさは最低限で、その上で「面白い」「役立つ」と言ってもらえることを書きたいです。
池田:今後はどんなコンテンツを出していく予定ですか?
Dさん:寓話を書こうかなと。ニュースで報道されるような難しいテーマをわかりやすく伝えたい。そのときはまた原稿を見てくれますか?
池田:もちろんです!
Dさん:その前に、寓話になかなか着手できない僕を詰める役になってほしいです。
池田:週1〜2回「書きました?」「あの原稿、どうなってます?」と進捗確認する役を担当しましょうか(笑)。早く原稿を読みたいので。今日はありがとうございました!
(完)
プレスラボのライティング講座は、生徒さんお一人ひとりのニーズに合わせた課題をもとに進める内容です。
「文章を書くこと」に関する悩みは人それぞれ。プレスラボHPでも、代表のDMでも構いません。どうぞお気軽にお問い合わせください!