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喋るのが好きなことと、話が上手いことは別の話

あけましておめでとうございます。

プレスラボの早川(@dai_nuko)です。
毎年何かしらの挑戦をしているのですが、2023年は個人的に「Podcast」に挑戦した年でした。

身の回りで見聞きした会話を取り上げて、なぜ「良い」と感じたのかゆるく考察していく、「話の話」をするPodcastというコンセプトで、『マイクが遠い!』という番組を配信しています。

これまでも音声コンテンツ自体は作っていたものの、完全に自分主導で制作を進めたのは今回が初めて。

まだ聴いてくれている人の数も少なく、決して上手くいってるというわけではないのですが、なかなかに楽しく、新鮮な気持ちで続けられているため、今年も引き続き力を入れていきたいと考えています。

そこで、2024年の制作に活かすために、これまでの配信の中で気になったことや発見だったことを振り返ってみました。

これから音声コンテンツを始めてみたいという人の参考になれば幸いです。

音声コンテンツは、インタビュー原稿に似ている

音声コンテンツを始めて最初にぶつかったのは、「第三者視点を意識しながら目の前の人と喋ること」の難しさでした。

『マイクが遠い!』は、編集者の友人とふたりで制作しています。収録のときは対面で向かい合いながら喋るのですが、音声コンテンツなので、この喋りを届ける先は「この場にいない不特定多数の人たち」です。

目の前のふたりにしか分からない会話を繰り広げていては、身内ネタにしかなりません。そのため、常に「この話は知らない人が聴いても理解できるか」を考えなければなりません。

僕らの場合はお互いに編集者ということもあり、相手が喋っているときに説明が必要なワードやエピソードが出てきたら、補足を差し込んでいくスタイルで行なっています。とはいえ、音声コンテンツに関してはどちらも慣れているわけではないので、抜け漏れも結構あり、収録が終わってから反省することも多々あります。

ただ、こんなことを毎月行っていたら「あれ? インタビュー原稿に似ているな」と思うようになりました。

インタビューは、インタビュイーの方と対話をする形でテーマを掘り下げていきますが、原稿に落とし込むときにはその場にいなかった人でも内容や現場の空気感を理解できるように、表現を調整していきますよね。

音声コンテンツも同じなわけです。そう気づいてからは、収録や終わった後の編集が楽しくなりました。

もちろん、これはふたり以上で配信する場合の話であって、ひとりで配信する場合には当てはまらないと思います。

初めはとにかく数を作ることで習熟度を上げるしかない

そもそもの話ですが、僕がPodcast番組を始めたのは「対話が上手くなりたいから」です。

昔から、喋ることが好きでした。編集者をしていますが、正直なところ文章を書くよりも喋る方が苦ではないです。

編集者と言えど、実は喋る機会というのは多くあり、分かりやすい例を出すならばインタビューはまさに喋る仕事なわけです。なんて言うと「いや、インタビューは聞く仕事だろ」という声が上がるかもしれませんが、まさにその通りで、喋る仕事でもあり、聞く仕事でもある、つまりは対話の仕事です。

Podcast番組を通して対話の機会を定期的に作り、対話力を向上させることができれば、インタビューやそれ以外の「話す」仕事に活きていくのではないか、というのが個人としてのモチベーションです。

せっかくならば、コンテンツとして面白い話になりそうな、自分の好きなエンタメコンテンツを取り上げられるテーマがいいなと思った結果の「話の話をするPodcast」となりました。

収録をして、編集中に何度も聴き直すたびに「話が下手だなあ」と凹んでいるのですが、こればっかりは数を重ねることで向上させていくしかありません。「上手くなること」を目的としているため、下手な部分も「過程」として見せていくことに決めています。

実は『マイクが遠い!』を立ち上げる前に別のテーマで番組を作っていました。3回程度収録したものの、求めるクオリティに達せずなかなか出せずにいたのですが「完璧なんて一生来ないんだな」とすごく反省しまして。その番組を思い切って没にして、今回の番組を立ち上げたという経緯です。

台本を作ると内容は安定するが、感情の鮮度が落ちる

「台本を作るか問題」というのもあります。

「素人なのにいっちょ前に台本を作るなんて……」という抵抗があり、最初は完全フリートークにしていたのですが、それは逆に「自分たちはフリートークで面白い話ができる」という驕りではないか、と思うようになりまして。

台本ほど作り込まないにしても、どんなエピソードを話すつもりなのか、お互いに事前共有して収録したときがありました。

すると、事前に話そうと決めていた内容はすべて話すことができたものの、一緒に喋っている友人からは「どうしてもこの話、さっきも聴いたなあと思ってしまって、リアクションが取りづらい」と言われてしまい、やり方を考えることに。

この話はまだ解決していないので結論はないのですが、「ラジオの放送作家って必要なんだな」と強く思うなどしました。

現状は、どこまでを事前に決めて、どこまでをフリーにするか、そのバランスを試行錯誤しています。

自分の笑い声の耳障りの悪さが気になる

これは完全に個人的な話として、自分の笑い声が気になっています。

よく自分の声が好きじゃなくて自分の声を聴くのが苦手という人がいますが、そういうのとは違い、これは耳障りが良くない笑い方だなと感じる、という話。

収録を重ねるうちに気づいたのが、僕は2種類の笑い方をしていることでした。

一つは、相手の話に対して大笑いしているとき。このときは結構高めの笑い声。二つめは、主に自分で話しながら笑っているような吹き出し笑い。このときは、いわゆる「デュフフフww」みたいな笑い方。

普段は前者の笑い方の方が多い自己イメージだったのですが、収録音源では後者の笑い方の比率が高いようでした。これが結構(個人的に)耳障り悪く、かつ音が低いので会話の音と被り聞き取りにくくなってしまうことが気になり、直近の配信からは意識的に前者の笑い方になるようにしています。

笑い声って意外と重要だよなと感じた話でした。余談ですが、僕はダウ90000の蓮見さんの笑い声が好きです。

ちなみに同じような文脈で、話すときの「フィラー」も気にしています。フィラーとは「えーっと」「なんかその」など発話の合間に挟まる言葉のことを指しますが、僕は回数が多いので『マイクが遠い!』では、できるだけ普段の会話よりもフィラーを減らすように意識しています。

なるべく聴きやすい音を目指したい

『マイクが遠い!』を始めるにあたって、最低限最初に取り組んだのは音質の改善でした。

ただでさえ素人の喋りなので、会話がハッキリ聴こえないと最後まで聴くのが苦痛だろうなと。そのため、なるべく室内で収録してノイズがあまり入らないようにしています。

スマホでも収録はできますが、音質を考えるならば機材にはある程度お金を払った方がいいなと思ったのと、実際にいくつか試してみた結果、いまは「DJI mic」という無線マイクを使用しています。

加えて、編集時にある程度のノイズは除去しているので、最低限聴きやすい音にはなってるのではないかなと。ただ(DJI micをピンマイクのように使っているのもあり)衣擦れの音が入ってたり、リップノイズ(唇や舌を動かしたときに発生する「ぺちゃっ」という雑音をマイクが拾ってしまうこと)を拾うこともあったりして、そのあたりはまだ対応できてません。正直、音声編集に関してはまだ知識が足りず、ノイズ除去はなんとなくで対応しているため、今後勉強していこうと思っています。

まとめ

どれも実際に試してみないと分からないことばかりだったので、去年は良い経験ができました。

改善点はたくさんありますが、試行錯誤しながら改善点を見つけていき、少しずつ改善していくという行い自体が大好きなので、2024年が楽しみで仕方ないです。

2024年はこのPodcastを趣味で終わらせずに、仕事にもプラスの影響が出るようなコンテンツにできればなと思います。

それでは本年もよろしくお願いします!

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